中学生は,今,英語で苦労してます。part 2
これが今の中学生の英語の現状
入試結果の分析で見えてきたもの
21年度から学習指導要領が実施された中学校は、従来は中学校の3年間で1200語程度だった新出単語が1600〜1800語に増やされ、それに小学校の600〜700語が加算された。合計すると2200〜2500語にもなり、中学生は以前の2倍の単語に四苦八苦している。小学校段階で3割以上の子どもが英語嫌いになって中学校に入学する。
和歌山県国民教育研究所は2022年夏に県下の中学校英語教員全員にアンケート調査を実施、107人から回答を得た。
その結果は、 新しい教科書は
「内容が難しくなった」が70%、
「盛りだくさんで、精選が必要」が64%、
「授業しにくくなった」が35%で、
「授業しやすくなった」は7%だけだった。
単語数については「多すぎる」が69%と圧倒的に多く、
「適切」は17%、
「少ない」は0%だった。
2024年度の群馬県公立高校入試の結果

英語(赤線)だけは成績下位群が大きく膨らみ、ピークは100点満点中の20点台だった。大半の生徒には英語の基礎学力が定着していない。
学習指導要領で英語の難度を大きく引き上げ、ついて行ける少数の上位層と、ついて行けない大多数の生徒との格差を作りだしている。
(英語教育学を専門とする和歌山大学名誉教授の江利川春雄氏)